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講座の紹介2|分子生物学的解析による新規う蝕(むし歯)予防法の開発
歯のエナメル質は人体の中でも最も硬度の高い組織ですが、う蝕細菌が産生する有機酸によって容易に脱灰され、う蝕が発症し、ひいては歯の崩壊に繋がります。う蝕細菌がこのような病原性を発揮するためには、自らが産生する酸に耐え、生き続けなければなりません。

我々は、う蝕細菌の重要な病原因子のひとつである耐酸性に着目して、それに関与する遺伝子を分離同定することで、耐酸性機構の分子生物学的な解明を進めています。また、細菌が外環境に適応するためには二成分制御系のシステムを使ったシグナル伝達を行うことが知られており、う蝕細菌が過酷な環境に耐えその病原性を発揮する上でこの二成分制御系のシステムが働いていることも考えられます。

このようなう蝕細菌の外環境への適応能を調整する機構を明らかにし、その調節機構を旨く乱すことで、う蝕細菌がその病原性を発揮することを制御できそうです。う蝕は徐々に減少傾向にありますが、う蝕が減少してくるとそれまでの処置による予防効果はだんだんを弱くなってきます。従来のフッ素などを用いたう蝕予防法に加えて、このような新規のう蝕法を応用することで、より効果の高いう蝕予防法の確立が期待されます。

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